腸閉塞という病気|健康でなきゃ楽しくない

先生
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弱ったNK細胞を甦らせる

医者

NK細胞の高い潜在能力

老化や病気の原因として知られるようになった活性酸素も、時には役に立つ場合もあります。病原体やがん細胞を退治する免疫細胞の中には、この活性酸素を武器とするものがあるのです。実際にがん治療として活性酸素を間接的に利用するような方法が考え出されています。がん免疫療法の1つNK細胞療法は、リンパ球の中からNK細胞を体外に取り出し活性化させる方法です。NK細胞はリンパ球の中でも数が比較的少ない存在ですが、抗原提示なしにウイルスやがん細胞を攻撃できる能力を持ちます。抗原提示を必要とするT細胞に比べ、迅速に行動できる点に高い潜在能力があると言えます。NK細胞がウイルスやがん細胞を退治する際にも、毒性の強い活性酸素を使っています。活性酸素を爆弾のように抱えたNK細胞が、血流に乗って体内をパトロールしているのです。健康な人の体内でも1日に何千個というがん細胞は発生しますが、NK細胞が元気なためすぐに見つけて退治してくれます。いろいろな原因で免疫力が低下してくると、NK細胞も弱ってくるためがん細胞が増殖しがんを発症します。NK細胞療法は弱ったNK細胞を元気にして、がん細胞への攻撃力を甦らせる方法なのです。

少量の採血から大量増殖

がん免疫療法の黎明期では、NK細胞も含めたリンパ球を一括してがん患者から採取し活性化させていました。そのため大量の血液を採取しなければならず、患者さんへの負担も非常に大きい方法だったのです。活性化したリンパ球を体内に戻す際にも、培養に使ったサイトカインを同時に投与していたため強い副作用が発生していました。NK細胞療法はこの点を大きく改良しています。NK細胞療法では多くても50ml程度という少量の血液を採取することから始めます。一般的な献血で採取される血液の量は400mlですから、NK細胞療法にかかる負担は軽いものです。少量の血液からNK細胞を取り出し、無菌環境の培養室で約10億個にまで大量増殖させます。培養が難しいとされていたNK細胞の増殖と活性化が可能になったことから、がん免疫療法への道が開けたのです。健康な人でも2億個程度と言われるNK細胞を10億個も点滴で投与することにより、38度程度の発熱は見られます。それだけNK細胞が活性酸素を武器にがん細胞を退治してくれている証拠です。クリニックによっては在宅でのNK細胞療法も可能となっており、退院後の再発予防としても人気を集めています。